遊: 2008年2月アーカイブ
2月9日 L change the worldを封切りで観てきた。実はこれ、前回blogで書いたアメリカン・ギャングスターにツレを強引に誘ってしまった交換条件で、今回はツレのお供で観に行った映画。何の因果か、アメリカン・ギャングスターの時と同じく、雪のなか観に行く羽目となった。
一言で言うなら、「松山ケンイチ・ショータイム」それほどに彼の演技、また「L」というキャラクターを前面に出した作品。Lの最後の23日間を描いた作品で、日本をはじめとしたアジアで人気を博したデスノートシリーズのスピンオフ。僕の個人的な見所をあげさせてもらうなら、松山ケンイチのLとの親和性の進化だ。すっかりLを自分のモノとした感じに思える。作品全体としては、えっ!ナンチャンなの?とか・・・原作との設定の違いに???だったり(確かLはミサをかばったレムによって殺されたはず)。もう少し作品に追い込みを見せて欲しかったが、松山ケンイチとLのシンクロを観に行くだけでもファンには価値のなる作品なのだろう。
昨日の日曜日、東京は大雪に見舞われ、僕も遠出や買い物は避けて近くの映画館に行く事にした。お目当ては「アメリカン・ギャングスター」。リドリー=スコット監督、デンゼル=ワシントンとラッセル=クロウが競演する、数ヶ月も前から封切りを待ち望んでいた作品なのだ(…の割には、封切り2日後に観たのだが)。
舞台は1960後半~1970年代のニューヨーク。ヘロインでハーレムを真っ白にしたの闇の帝王「フランク・ルーカス」と、正義を貫き通す鉄の男、麻薬捜査班の「リッチー・ロバーツ」という2人の「男の道」を映画化した実話である。この映画、上映時間が157分の長尺ものなのだが、全然その長さを感じさせない秀作。個人的には、作品賞、監督賞、主演男優賞をあげたいくらいの秀作。そして、なんと言ってもリアル!!撮影中には、本物のフランクとリッチーが現場にアドバイスに来ていたとのことだが、そのアドバイスのお陰か?描かれる世界がリアリティに満ちている。この頃のニューヨークは、フランクが流したブルー・マジック(ヘロイン)に汚染されるまでも無く、酷くドラッギーな街だったのは周知の事実。この最悪な世界では、乳幼児の母親がオーバードーズで死んでしまったり、ギャング同士の抗争はさながら戦争のようだったと聞く。そうしたダークな世界の煙ったい空気感が作品によく出ていると思った。
映画の通り絶望的な「この時代のニューヨーク」は、荒廃し、秩序も正義も無かったのだろうが、こんな世界でも生まれ育ったものがある。まぁ、映画とは関係の無い話になってしまうけど…
それが「ダンス・ミュージック」だ。
僕はHouse MusicのDJとして回している(ほんの趣味程度だが)。そのHouseはドラッグに汚染されつくされた、この時代のニューヨーク・マンハッタンからの流れで生まれた。専門外だがHip・Hopもこの汚染されつくされた、同じ時代のニューヨーク・ブロンクスで生まれた⇒BボーイのBはブロンクスのBだったりする…余談。ラリー=レバン(パラダイス・ガラージ)やフランキー=ナックルズ(フランキーはシカゴのウェア・ハウスが有名だけど、元はNYのコンチネンタル・バス)らによるHouseの誕生。そしてブロンクスではクール=ハークからの流れでHip・Hopが誕生したのだ。Houseはゲイカルチャーで、Hip・Hopは貧困と犯罪の世界で…という違いはあるが、どちらも他とは隔絶されたマイノリティな世界という点、完全にドラッグで汚染された世界だったという点で共通している。それはきっと、アメリカン・ギャングスターで描かれた、ダークな煙ったい空気感の世界に近かったのだろう。
ただ映画と違う点では、映画ではリッチーら麻薬捜査班によりギャングや警察内部の悪人を一斉検挙してエンディングとなってゆくが、実際のダンス・ミュージックとドラッグとの結びつきは続いてゆく。ヘロインの次はコカイン。コカインの次はクラック…ダンス・ミュージックというマイノリティな世界は、常にドラッグを愛し、ドラッグに愛されてきた。そしてこの相思相愛の関係には終わりがない。まるでDJのMIXにより曲に終わりが来ないかのように。